暦Wiki
大気による屈折†
- 真空中では光はまっすぐ進みますが、大気や水中など物質の中に入るときにはその境界面で進む方向が変わります。これを屈折と呼びます。
- 一口に大気といっても、地表からの高度などによって密度などが変わりますから、屈折する割合は連続的に変化します。
大気差 (Atmospheric refraction)†
- 天体からの光は大気を通る際に屈折するため、実際よりも高いところから来るように見えます。この天体が浮き上がって見える効果を大気差といいます。
- 大気差は気温・気圧・水温・水蒸気圧・光の波長などに依存し、高度が低いほど大きくなります。
- 大気差の影響を取り除くには近傍の天体を観測して差分を取る、同じ高度の天体を観測する、理論・経験的に予測するなどの方法があります。予測式について詳しくは理科年表などをご参照ください。
- 高度が低いほど大気差の影響を大きく受けますので、日の出や日の入りのような現象を正確に予測することは困難になります。日の出や日の入りを分単位で表現するのはこのためです。
- 大気により光が屈折すると、水平線も実際より浮き上がって見えます。これを地平大気差 (地平気差) といいます。
- 地平大気差の定数には35′08″を用いています。
関連ページ†
Last-modified: 2020-05-27 (水) 22:17:17