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薄明 (Twilight)†
- 日の出や日の入りの瞬間に、突然明るく/暗くなる訳ではありません。
- 日の出や日の入りの時刻は、地上から太陽が見えだす/見えなくなる瞬間です。
- しかし、たとえ地上からは見えなくとも、上空からは見えている=太陽の光が当たっています。
- したがって、明るくなるのは日の出より前、暗くなるのは日の入りより後となります。
- 太陽高度の変化に伴って、光の当たる範囲や明るさも変化していきます。
- このような、日の出前や日の入り後の明るい状態を薄明と呼びます。
- 薄明は太陽の高度(伏角)で定義・分類することができます。
- 明るさで定義するのは困難です。
- 薄明時の明るさは周囲の地形・気象状況・月の有無などによっても変わります。
- 正確な時計も測定装置もない時代には人の目で明るさを判定していましたので、個人差も加わります。
- 小川友忠も『西洋時辰儀定刻活測』で「明暮ノ六ツ甚タ定メカタキモノ也」と述べています。
- 国際宇宙ステーションや人工衛星ははるか上空を飛んでいます。
- このため、空が暗くなってもなお太陽光を反射して明るく輝き、肉眼で見ることができます (JAXA )。
- 常用薄明/市民薄明 (civil twilight)
- 日常的な作業ができるくらいの明るさの目安となります。夜明・日暮あるいは明六つ・暮六つに相当します。
- 始めと終りは太陽の伏角6°で定義されます。
- 航海薄明 (nautical twilight)
- 六分儀で水平線が確認できるくらいの明るさの目安となります。
- 始めと終りは太陽の伏角12°で定義されます。
- 天文薄明 (astronomical twilight)
- 太陽の伏角18°は6等星が肉眼で見えるかどうかの限界で、天体観測に適した時間の終りと始めの目安となります。
- 始めと終りは太陽の伏角18°で定義されます。
- このような分類ができたのは1937年の英国暦からです。
- それまではtwilight=天文薄明でしたが、途中も便利なので分けてみたということのようです。
関連ページ†
Last-modified: 2020-05-27 (水) 21:03:42