長暦とはさかのぼって過去の暦日を復元したもので、貞享の改暦を行なった
『日本長暦』は『日本書紀』の神武東征甲寅の年 (神武紀元の7年前) から貞享二年までの約2300年間の毎月の朔日の干支を計算したものである。計算には各時代それぞれの暦法を用いたが、春海は最初に輸入された元嘉暦以前にも独自の暦法があったと唱え、書紀の干支につじつまを合わせた暦法を創作している。春海が『日本長暦』を作る過程で著された『日本書紀暦考』と『古今交蝕考』は『日本長暦』と一体をなすものである。
江戸中期の暦学者中根
現在の長暦としては、内田正男の『日本暦日原典』(1975) が出版されている。計算は計算機により、また実際に施行されたかどうかの史実の調査は桃裕行 (1910-1986) の研究成果を踏まえていて、現在最も信頼出来る長暦である。