暦Wiki
ティティ(Tithi)と日付の数え方†
- ティティとは、月と太陽の黄経差=月の満ち欠けを、12°ごと=30個に等分したものです。
- 太陰暦月の日付を数えるのに用います。
- 新月から満月までの満ちていく期間を白分 Śukla pakṣaといいます。
- 満月から新月までの欠けていく期間を黒分 Kṛṣṇa pakṣaといいます。
- 白分と黒分それぞれで日付を数えます。
- Prathama、Dvitīya、Tṛtīya、Caturthī、Pañcamī、Ṣaṣṭhī、Saptamī、Aṣṭamī、Navamī、Daśamī、Ekādaśī、Dvādaśī、Trayodaśī、Caturdaśīは、それぞれ1日、2日、・・・、14日を意味します。
- 頭文字のS、Kを使って、"S 1"、"K 1"のように表わすこともあります。
- 1日は日の出に始まり日の出に終わります。日の出におけるティティによって日付を表わします。このため、
- Śukla 1に入る瞬間=朔(新月)ですが、その瞬間は日の出前にあります。したがって、朔(新月)はŚukla 1の前日で、Amāvāsyāと呼ばれます。
- Kṛṣṇa 1に入る瞬間=望(満月)ですが、その瞬間は日の出前にあります。したがって、望(満月)はKṛṣṇa 1の前日で、Pūrṇimāと呼ばれます。
- インドの太陰暦月は、白分と黒分のどちらを先に数えるかによって大きく2通りに分かれます。
- 白分を先に数える=新月から新月までを1か月とするもの
- Śuklādi system、Mukhya māna、Amāvāsyānta māna、Amānta mānaなどと呼ばれます。
- おもに南インドで使われます。
- 黒分を先に数える=満月から満月までを1か月とするもの
- Kṛṣṇādi system、Gauna māna、Pūrṇimānta mānaなどと呼ばれます。
- おもに北インドで使われます。
Tithi | 黄経差 |
Śukla | Prathama | 1 | 0〜 12° |
Dvitīya | 2 | 12〜 24° |
(中略) |
Caturdaśī | 14 | 336〜348° |
Pūrṇimā | 15 | 168〜180° |
Kṛṣṇa | Prathama | 1 | 180〜192° |
Dvitīya | 2 | 12〜 24° |
(中略) |
Caturdaśī | 14 | 336〜348° |
Amāvāsyā | 30 | 348〜360° |
ティティの長さと変則的な日付†
- 満ち欠けの周期は約29.5日ですから、1ティティの長さは平均すれば1日弱となります。
- しかし、各ティティの長さについては20時間〜27時間程度の幅で変動します。
- ティティは月と太陽の黄経差で定義していますが、月は太陽より圧倒的に速く動きますので、月の動きを考えれば十分です。
- まとめると、
- ティティが長くなるのは月が遠地点にあるとき。
- ティティが短くなるのは月が近地点にあるとき。とくに朔や望と重なるとさらに短くなります。
- 変則的な日付
- ティティが短い場合は日の出から日の出の間に1つのティティがすっぽり納まることがあります。このティティの間には日の出がないので、そのティティは日付に使われません。
- ティティが長い場合は翌日の日の出になっても同じティティにとどまるがあります。その場合、このティティの間には日の出が2回あり、どちらも同じティティが日付に使われます。
- このため、前者では日付が飛び、後者では日付が繰り返されることになります。
関連ページ†
Last-modified: 2017-10-12 (木) 22:35:22