暦Wiki
二十四節気の定め方†
平気法 (恒気法/常気法)†
- 1年の長さを時間で24等分する方法
- 実際の太陽の運動を無視しており、たとえば、後述の定気法により求めた真の春分と暦面上の春分にはおよそ2日の違いがあります (→彼岸の日取り)。
- ケプラーの第2法則により、面積で等分するのと同じことです。
- 1気の長さ=二十四節気の間隔は一定で,1年の長さ÷24≒約15.2日となります。
- 没日を除いて数えれば、この長さはちょうど15日になります。
- 寛政暦まではこの方法によって二十四節気を定めていました。
- ただし、日食や月の満ち欠けについてはそれ以前から実際の太陽の動きに基づいて定められており、違いが知られていなかったわけではありません。
定気法 (実気法)†
- 天保暦から採用された二十四節気の定め方。
- 太陽の視黄経を角度で24等分する方法
- 視黄経が0°、15°、30°、・・・となる瞬間
- 黄道面を真上 (地球の北極があるほう) から見たときの、地球の自転軸の向きと太陽の位置関係、ともいえます。
- 1気の長さ=二十四節気の間隔は一定にはなりません。
- 地球は太陽の周りを楕円運動しており、ケプラーの第2法則にしたがって、太陽に近いときは速く、遠いときは遅く動きます。
- 近日点付近(1月上旬) → 地球が早く動く → 角度が15°変化する時間は短くなる → 1気の長さは短くなる。
- 遠日点付近(7月上旬) → 地球が遅く動く → 角度が15°変化する時間は長くなる → 1気の長さは長くなる。
- つまり、近日点や遠日点をピークとした1年周期の変動で、グラフのようになります。
- 日数でいえば、14日、15日、16日の範囲で変動します。
- この変動の結果、夏と冬の日数は同じにならず、北半球では冬の期間より夏の期間のほうが長くなります。
春分の日〜秋分の日≒186日>365.25日/2
平気法と定気法の違い†
- 冬至における違いが0になるように調整すると、定気法による節気と平気法による節気の違いは以下のようになります。
- 冬至からしばらくは近日点の近くにあるので、定気法による節気のほうが早く訪れます (グラフではマイナス)。
- 春分過ぎくらいになると定気法による1気の長さのほうが長くなっていきますから、そこがマイナス側のピークとなり、徐々に違いは小さくなっていきます。
- 夏至のころにはずれは0となり、逆にプラスの側に変化していきます。
- そして秋分過ぎくらいにプラス側のピークに達し、ふたたび冬至の0に戻っていきます。
- このように、平気法と定気法では春秋分ごろに2日くらいの違いがあるということになります。
- 近日点と冬至は少し離れていますので、この±は均等になりません。
- 長期的には、この関係は歳差と近日点の移動により、約21,000年周期で変動します。
関連ページ†
Last-modified: 2020-07-24 (金) 14:47:03