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金星日面経過 (Transit of Venus)†
- 金星は見かけの大きさ=視半径が太陽の1/32程度もあり、水星に比べかなり見ごたえがあります。
- 日食グラスでも見られます!
- しかし、頻度は少なくめったにお目にかかれません。次回は2117年12月11日です。
- 日面経過が起こるのは金星が内合を迎えるときです。
- しかし、金星の軌道面は地球の軌道面=黄道面に対して3.4°ほど傾いているので、内合のたびに起こるわけではありません。
- 日食と同様に、内合が昇(降)交点付近で起こることが日面経過の条件となります。
- 地球が金星の昇交点付近を通過するのは12月上旬ごろ、降交点付近を通過するのは6月上旬ごろですので、金星日面経過が起こるのもこのころに限られます。
- 金星と地球の会合周期は583.9日です。つまり金星の内合は約584日間隔で起こります。
- この会合周期の5倍はおよそ8年の日数と等しいので、8年後にはほぼ同じ位置で会合します。→マヤ暦
- 会合周期×5=2919.6日
- 地球の公転周期×8=2922.1日
- 金星の公転周期×13=2921.1日
- このため、1回起こると8年後にもう1回起こる可能性があります。
- 実際、2012年6月6日の前は2004年6月8日に起きています。
- いずれも降交点側での現象です。
- 地球の公転周期×8の方が大きいので、2004年よりも手前の位置で会合します。
- 降交点側で位置が手前ですから、2004年は太陽の南側、2012年は北側を通過することになります。
- さらに8年後には太陽から外れてしまいます。
- つまり8年間隔で2回続けて起こることもありますが、3回続けてはありません。また、太陽の中央を横切る場合は1回だけのこともあります。
- 5会合周期と8年がほぼ等しいということは、金星と会合するのはたかだか5か所に限られるということを意味します。
- 5か所をグループ0からグループ4に分けてみましょう。
- グループ0の位置で会合した次は584日後にグループ1の位置で、次はグループ2の位置で・・・、グループ4の位置で会合した次はグループ0の位置に戻ります。
- 地球の公転周期×8の方が大きいので、位置は戻るたびに少しずつ手前に(時計回りに)移動します。
- グループ2の会合位置がグループ0の会合位置まで移動するには約243年(152会合周期)かかります。
- つまり、同じ交点の側で日面経過が起こるのは243年周期ということになります。
- 途中、反対側の交点付近に別グループの会合位置が移動してきます。これは243年の半分で121.5年(76会合周期)の間隔になります。
- 8年間隔のケースもあわせると、近年では8年・105.5年・8年・121.5年という周期で起こっています。
- 会合周期で言えば、5・66・5・76会合周期です。
- 次回は昇交点側で、105.5年後=2117年12月11日となります。
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Last-modified: 2020-05-27 (水) 20:55:04