暦Wiki
視差 (Parallax)†
- 地点1から見た天体の位置と、地点2から見た天体の位置のずれを視差といいます。
地心視差、地平視差†
- 地心から見た位置と地表から見た位置のずれを地心視差(Geocentric parallax)といいます。
- 天体が地心と観測者を結ぶ線の延長上にあれば、地心視差は0になります。
- 天体が地平線上にある時は地球半径分だけ離れることになりますので大きくなります。これを地平視差(horizontal parallax)といいます。
- 地球は赤道方向に長いので、赤道半径分だけ離れると地平視差は最大になります。これを赤道地平視差(equatorial horizontal parallax)といいます。
- 天体が近くにあるほど、視差は大きくなります。
- もっとも地球に近い月の場合、視差は最大で1°を超えます。
年周視差 (Annual parallax)†
- 太陽から見た位置と、地球から見た位置のずれを年周視差といいます。
- 太陽と地球の距離と年周視差を使うと、三角測量の要領で恒星までの距離がわかります。
- 年周視差があることは、地球が太陽の周りを公転している直接的な証拠になります。
- しかし、年周視差は最も近いケンタウルス座α星でも0.7″程度と小さく、実際に16世紀の天文学者ティコ・ブラーエは視差が観測できないことから天動説が正しいと考えたほどでした。
- 視差楕円
- 黄道の極付近にある恒星はほぼ円の上を運動、黄道に近い星ほど楕円の上を動くようになり、黄道付近の恒星は直線上を往復するように見えます。一般にこの軌跡を視差楕円といいます。
年周視差と年周光行差†
- 年周視差と年周光行差はどちらも1年周期ですが、ずれる向きや大きさが異なります。
- 周期が同じなので、合成されてひとつの楕円の上を運動します。
- 大きさは年周光行差のほうが圧倒的に大きいので、この楕円はほぼ光行差楕円と同じになります。
- このため、視差を調べるにはあらかじめ光行差の影響を除く必要があり、歴史的にも光行差のほうが先に発見されました。
関連ページ†
Last-modified: 2020-05-27 (水) 17:36:36