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月齢と満ち欠けの関係†
- 月齢は月の満ち欠けを表します。しかし、満ち欠け具合と月齢が1対1で対応するわけではありません。だいたい対応している程度です。
- だいたいとはどれくらいなのか、満月の場合を例に、考えてみましょう。
満月の月齢は15.0?十五夜は満月?†
- 月の満ち欠けの周期は平均約29.5日ですから、その半分の約14.8日くらいが望 (満月) の月齢だと見当がつきます。
- 一方、十五夜は陰暦15日の夕方に出る月のことです。
- では月齢15.0を含む日=陰暦16日のほうが近いじゃないかと思うかもしれませんが、十五夜の月は陰暦15日の夕方に出て16日の朝に沈みますので、平均的には十五夜の月の方が近くなります。
満月の月齢はいつも同じじゃない†
- 月は地球の周りを楕円運動しており、地球に近いときには速く、遠いときには遅く動きます。
- ケプラーの第2法則によれば、一定時間に月と地球を結ぶ線が描く図形の面積は等しくなります。
- 逆に言うと、朔(新月) から望(満月) までに月と地球を結ぶ線が描いた軌跡=下図中水色部の面積の大小は、その経過時間の大小を表わすことになります。
- 満月の月齢=望における月齢とは朔から望までの経過時間のことですから、
- 月の楕円軌道と太陽の位置関係により、望における月齢は大きく変化することがわかります*1。
- たとえば、朔から望の間に近地点が入ると短くなり、遠地点が入ると長くなります。
- 具体的にどれくらい変化するかというと、
- 平均的には29.5÷2≒14.75日くらい
- およそ13.9日〜15.6日 (±1日弱も変動します)
- 月の楕円軌道の向き
- 上記の説明では1年たって地球が同じ位置に戻れば望 (満月) の月齢も戻るように思えます。
- 実際には月の楕円軌道は周期8.85年で回転しています。
- 同じ時期の望 (満月) 、たとえば秋分付近のもの〜中秋の名月だけを抜き出すとその周期が見えてきます。
- 季節を限定せず、単に満月だけで考えれば、約14朔望月周期で繰り返します (上図で水色の線)。
- 近地点に対する公転周期=近点月は約27.55日、月の満ち欠け周期=朔望月は約29.53日ですから、15近点月≒14朔望月になります。
- より正確には239近点月≒223朔望月が成り立ちます。これはサロス周期でおなじみですね。
- 大きさ (地心距離) もピークは異なりますが、同じ周期で変動しています。
満月以外の場合†
- 満月以外の場合も同様に考えることができます。
- 上弦における月齢はおよそ6.6〜8.2、下弦における月齢はおよそ21.4〜22.8です。
- ただし、次の朔の直前における月齢については、軌道を1周しますから楕円軌道の影響は薄れ、むしろ変動範囲は小さくなります。
- もちろん、次の朔の直前における月齢とは月の満ち欠け周期そのものです。
関連ページ†
面積すなわち経過時間の大小が定性的に理解しやすいよう、月軌道は実際よりも誇張した楕円形に描いています。->
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Last-modified: 2022-07-12 (火) 16:00:27